原因不明の長期体調不良
赤ちゃんがいて自由に身動きが取れないことや日々の忙しさ、近所に適切な病院がないのを理由に、体に小さな異変が出ていたにもかかわらず放置し続け、慢性鼻炎、耳管狭窄症、発声しにくい、甲状腺とリンパ腺の腫れぼったさ、喉に食べ物がつっかえる、生理不順など、より一層様々な悪症状が発生するようになり、かなりの不快症状に3年以上悩まされてきました。夕方になるとぐったりして何もやる気が出ないことがしばしばでした。
慣れないブラジル生活の中、日々の家事、育児、夫の仕事の手伝いなどで自分の身体をケアすることなく10年以上を過ごし、明日はよくなるだろうと思い続けても一向によくなる気配はありませんでした。原因不明の諸症状で、ブラジルの一般病院で診察してもらっても原因が分からず、ポルトガル語ではうまく説明しきれなかったため、抗アレルギー薬と点鼻薬を処方されましたが効果がありませんでした。
ブラジルで病院離れしてしまった理由
ブラジルに限らないと思いますが、郷里を離れるとこれまで懇意にしていた医師や医療機関、食生活なども大きく変化してしまいます。
ブラジルに来て衝撃だったことは、医療システムに関して言えば、あまりにも専門科で分化しているということでした。つまり、医師の診察を受けても、医師はすぐには治療してくれる存在ではなく、診察を受けた医院ではなく、さらに様々な専門医を紹介されて診断を受けたり、様々な医療機関で検査を受けてから、もう一度医師の診断を受けることになります。もちろん、それぞれ個別に料金は加算されるため、事前に高額な保険料に加入しておくか、新たに医療費を負担しなければなりません。
その待ち時間や医療システムの煩雑さを考えると、日々の仕事や育児で追われている身としては、重症になるまでなかなか重い腰が上がりにくくなってしまいました。
鍼灸治療に興味を持った理由
さらに、近年では世界的な主流を占めてきた治療法かもしれませんが、表層に見えている病状だけを見て、それを取り払ってしまうということが医療の現場で一般的なように思います。ブラジルで主流の医療機関は日本以上にその事が顕著に思います。慢性的な原因不明の病気の場合、どこの病院に行っても解決策がないように感じていました。
そうした中、日本で受け継がれてきた健康法の知恵や東洋医学では、部分的に見える病状に対処するだけでなく、体全体の生命力を高め、自己免疫力を高めることで病状を和らげていこうという考え方があることに改めて気付きました。理論はシンプルで、体温を高めて冷えをなくし、体の臓器を元気にしてさらに血液をきれいにすることなど。それが結果的には自己免疫力を高め、身体自身が病気を治していくことにつながります。
鍼灸治療は、まさに弱ってしまった体の免疫力を向上させることをサポートする役目があるということで、体質改善をしていく手助けになると知りました。
健康も結局は自分で管理するものなのですが、体が弱り切ってしまった時には、やはり強力なサポーターが近くにいてくれるだけで勇気づけられます。
鍼灸治療はブラジルでも既に二人以上の先生にかかってきましたが、これまで施術していただいた先生は他界されたり全て男性だったということもあり、もう一度訪ねるのは何となく足が遠のいていました。
サンパウロで日本人が日本語で安心して受けられる鍼灸師さんを探すのは口コミに頼る以外難しかったのですが、2015年に偶然知り合った江田倭子(えだしずこ)先生は女性ということもあり、初めて長期にわたってじっくりと治療を受けさせて頂くことになりました。
◎診察と治療、その後の経過
2015年8月から、毎週一回クリニックで治療を受けてきました。
★初診
私の体調具合を聞きながら、耳診断と触診によって、はっきりと弱っている場所や原因について教えてくれました。
脈を見ていただくと、初診の日は、体全体が弱っているという診断を受けました。
そして、それは大げさではなく、自分でも確かに日々その様に感じていました。
鼻詰まりがひどいのは脾臓が弱り、耳の調子が悪いのは腎臓の働きが弱くなっているということで、ある臓器が弱りだすと、慢性化して別の身体の器官にも負担をかけるようになるため、ポイントを押さえながら頭のてっぺんから足の先まで全身に何か所も鍼を施術してもらいました。
同時に「温灸」で体を温めてもらうと心地よい湯船につかっているような気分でした。
色々と病気や世間話をしていると楽しくて、1時間半~2時間の治療時間もあっと言う間に過ぎてゆき、1回目の鍼治療と温灸で、肩こり他、全身のだるさが楽になりました。
ちなみに、鍼は使い捨てのものを使用し、極細で痛みはほとんどありません。
★2回目
初診と同じように、治療後の体の状態を聞いてもらい、1回目と同じ治療を行いました。
1回目よりさらに体が楽になりました。
★3回目
甲状腺やリンパ腺の腫れぼったさが無くなりました。片方の鼻詰まりと耳詰まり感のみが取れ切らなかったものの、それも楽になってきました。
鼻詰まりを良くするため、耳つぼも施術してもらいました。
★4回目
全身の倦怠感や不快症状は完全に近いほどよくなり、生理周期の度に重くなる腰痛もほぼ改善し、二年ほど続いていた生理不順も良くなりました(周期が遅かった間隔が縮まる)。
片方の鼻と耳の症状は頑固で、一回目の治療以降、早朝に鼻水が出る症状は完全になくなり、以前は耳詰まり感から常に耳を引っ張っていたのですが、耳を引っ張らなくても過ごせるくらい症状は軽くなりました。最初が100%悪かったとしたら、4回目時点では90%は良くなった感じです。
肩こりと鼻づまりのお灸、鼻づまりを解消する耳つぼもを再度施術してもらいました。ピンポイントですが、お灸はアチッと一瞬きますが、即効性を実感しました。
とにかく、椅子に座ると完全に鼻が詰まって息ができない状態が3年以上続いていたため、ほんの少しずつでも通るようになったことは、本来これが普通な状態だったんだということを何年ぶりかに思い出させてくれました。
★5回目
耳の違和感はほぼなくなりました。鼻詰まりも以前とは比べ物にならないほど気にならなくなりました。
やる気が出ないのは怠け心だけではない、体の悲鳴を見逃さないで!
鍼治療を受けるまで、夕方になると、とにかく食事の支度もやる気が出ず、疲労感がたまり、女性ならではの生理周期も不安定でホルモンバランスが崩れていました。やる気が出ないのは怠け心から来ているのかと思って自分を鼓舞するような時もありましたが、鍼治療を受けて元気が出ると、嘘みたいに体が動くようになりました。やる気が出ないというのは、決して怠け心からだけではなく、体調不良のサインであることを痛感します。
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